宇宙戦艦ヤマト2199 第25話

劇場公開のときに間に合わなくて一部尺が短くなった回です。

ヤマトがマゼラン側の亜空間ゲートを破壊したために、通常ワープでの帰還を余儀なくされていたガミラス艦隊が本星に到着。ディッツ提督が全権を握っているもよう。
しかし、一部離反した艦隊がおり、その討伐には「信頼できる者」を派遣しているという。

ヤマトは帰路の途中、遭難したセレステラを救う。雪が事情を聞くが、「デスラーが死んだ」ことを彼女は信じない。

離反した艦隊とはゲールの艦体であり、彼は脱出していたデスラーと合流を果たしてバラン星宙域にいた。ヤマトは銀河側の亜空間ゲートを使用するためにバラン星宙域へ。先のバラン星崩壊にともなって破壊されたガミラス艦隊の残骸が多数ただよっており、それにゲールは潜んでいた。また、ヤマトがゲートを使用できるよう、艦隊の機関をつないで動力を伝達していた。

ヤマトへ攻撃をしかけるゲール。そこに現れる次元潜航艇。ディッツがいう「信頼できる者」だ。潜航艇に不具合が生じるが「腕のいいザルツ人」機関士のおかげでただちに急速潜航し、魚雷でゲールを仕留める。「腕のいいザルツ人」とはなんと藪だった。

ヤマトはゲートをくぐり亜空間へ突入したが、デウスーラに強行接舷され、ガミロイドによりみるみる艦内が制圧されていく。しかも、デスラーまでが艦内に突入し、偶然、雪を見つけて「艦長のところへ案内せよ」という。
そこにセレステラが登場。あまりの喜びにいきなり感応波を出してしまったため、驚いたデスラーが彼女を狙撃してしまう。雪は「私たちが戦う理由なんてなかった」というが、デスラーは「戦いは必要だった」とニベもない。そのデスラーを半ば死にかけたセレステラが狙撃。その報復に女衛視がテレステラを撃つが雪がかばい、彼女も瀕死の重傷となる。

侵入したガミロイドにウィルスを流し込むことで駆除できた艦内は、急速にヤマト側に有利となり、肩を撃たれたデスラーも撤退する。
回廊内では陽電子ビームが無効になるため、デスラーは「デスラー砲」を使おうし、制止するタランにまで銃口を向ける。

「私は戦争をしているのだよ!」

しかし、エネルギー充填完了したデウスーラIIにヤマトからの三式弾が次々に着弾。

実体弾で攻撃してきていることに「野蛮人が!!」というものの、デウスーラは急速に誘爆を起こしていく。

デスラーは愛するスターシャの理想である「秩序と安定と平和」を武力で制圧することによって実現しようとしていた。その誓いのシーンを思い出しつつデスラー砲を放つが、爆発する。

ヤマトは無事にゲートを抜けるが、瀕死の雪を抱きしめた古代の悲痛な叫びが艦内無線に乗ってこだまする。

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旧作だとヤマトに強行接舷したデスラーが放射能ガスを送り込み、雪が不完全なままコスモクリーナーを起動させたことで死んでしまうというストーリー。

デスラー砲を放った瞬間にヤマトがワープしたため、デスラー艦もワープし、ワープアウトしたらぶつかっていたという流れでした。

さて、劇場で見られなかったのは冒頭のガミラス本星のシーンと、次元潜航艇がからむシーン。確かに本筋には関係ないですが、これが追加されたため厚みが増しています。
劇場で見た時は確かに「ゲールはどうなったのだろう」と疑問に思いましたから。
それから収容所惑星に取り残されれた藪は、再就職先が見つかったようでよかったです(笑) 

大きな流れ(デスラー艦が接舷→白兵戦→雪が瀕死→デスラー撤退→デスラー艦爆発)は旧作と同じですが、より深く無理のないストーリー展開になっています。

ただ、第二バレラスの崩壊からいかにしてデスラーが脱出したのか、そこの説明がなされていないのが残念なポイントでした。


宇宙戦艦ヤマト2199 第24話

ヤマトはついにイスカンダルに到着した。だが、波動エネルギーを武器に転用したことを理由に、コスモリバースシステムを渡すことを保留するというスターシャにクルーは動揺する。

そんな中でもひと時、海水浴を楽しむクルーたち(サービスカット)

ガミラスのヒス副総統はヤマトに救われたことを理由にもうわだかまりはないというが、スターシャは「あなたがたになくてもこちらにはある」とすげない。

ユリーシャは「彼らはただ身を守るためだけに波動砲を使った」と説得する。
しかし、彼女には他にコスモリバースシステムを渡したくない理由があった……。

コスモリバースシステムとは……生命が進化した惑星には時空を超えた惑星の波動が存在するという。その波動を解放し、星を元に戻す装置がコスモリバースシステムであり、そのためにはその星の記憶を内包している「エレメンツ」が必要となるという。
それはすなわち、「ヤマト」であり、ヤマトがイスカンダルまで来なければならなかった理由であった。

スターシャはコスモリバースシステムを渡すのに一つ条件を付けた。
「二度と波動砲を使わない」。
かつてイスカンダルは波動砲を開発し、大マゼラン星雲を統一する強大な国家を作ったが、やがてその行為を恥じ、波動エネルギーの武器転用をしなくなったし、どこにも技術供与しなかったと語った。

さらに、古代を誘って墓地へといく。
そこには兄、古代守の墓標があった。
彼はメ号作戦のおり捕虜となり、ガミラス本星へ護送される途中に難破、イスカンダルに漂着したところをスターシャに助けられた。しかし、体の傷が元で亡くなってしまう。亡くなる前に残された立体映像のメッセージを聞き、悲しみにくれる。

メルダは母星へ、さらにユリーシャも指導者を失ったガミラスの支柱となるため、ガミラスへ赴くこととなった。
波動砲の区画にコスモリバースシステムがすえつけられたヤマトは地球への帰還の途につく。

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ようやくイスカンダルに到着。旧作では古代守が生きていたけれど、リメイクでは亡くなっていました。でも、最後のスターシャのカットでお腹のあたりを手で撫でるシーンが意味深だなあと感じたり。(旧作の続編では二人の間に「サーシャ」という娘が生まれている)

旧作のイスカンダル到着時の事件としては機関士の藪たちが「イスカンダルに残りたい」と脱走、籠城するという事件がありました。そのときは「子孫を作らなければならない」と雪を拉致したりしてましたが、籠城したダイヤモンド大陸が地震で沈没することに。それだけ
イスカンダルの地殻が不安定であるという表現にもなっていましたが、リメイクでは「イスカンダルとガミラスは老いゆく星である」という設定はないようです。

コスモクリーナーの代わりのコスモリバースシステムの説明はなるほどと思う仕上がり。なぜ、「コスモリバースシステム」を地球に送らなかったのか、なぜ、わざわざ行かなければならなかったのかの説明がきれいになされていました。

ただ、前作と同様、なぜイスカンダルは人口が激減してしまったのか、ガミラスとイスカンダルとの関係がいまいちわからないままでした。ガミラスとイスカンダルは「古に別れた種族」(デスラーいわく)と言われてましたが、「思想が違いすぎる」(スターシャ)ともあり、イスカンダルを崇拝するガミラスであるならば、どうしてその平和思想を受け入れなかったのかも不思議なところです。