謎の道を探る(2)

1969年の航空写真では、国道246号のよこからちょろりとはみ出ていた謎の道。

061969

6年ほどさかのぼってみると、何が起こったのかわかってきた。

071963

ちょろりとはみ出ていた道は旧道だったのだ。もともとの大山街道筋である。
それではこの6年の間に何があったかというと1964年の東京五輪だ。
この国家最大規模のプロジェクトで東京とその近郊はかなりの開発と改造を行った。
道路交通インフラを強化するために環状7号、8号の新設、首都高速の建設、青山通りの拡幅など。その一環としてこの国道246号も直線化とともに拡幅されたのだと思う。

さらに遡って戦後すぐの1947年の様子。

081947

あまり変わらない。このあたりは戦後20年近くは農村だったようだ。

さて、では、なぜこの街道がここだけ曲がっているのだろう。

このあたりは北東方面から切りとおしを通って、なだらかに川が刻んだ谷へ向かう坂になっている。こんなふうに曲げなくてもまっすぐで十分だと思うのだが……。

このあたり様子を伝える最古の地図。1906年(明治39年)

091906

やはり曲がっている。ただ、この地形図を見てみると、なんとなく理由がわかってきた。南東の方角から丘が張り出している。この膨らみを避けるために道を曲げているのではないか? いや、自然にできた道だから、人が行き来する上で一番楽なラインを通っていたら、このようになったと見るべきだろう。


謎の道を探る(1)

自宅から少し離れたところに謎の道がある。
国道246号沿いなのだが、歩道をはさんで道があるのだ。

写真の赤で示した場所。mapモードにしてもこの道は表示されている。

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写真でA地点から見たストリートビュー。

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写真でB地点から見たストリートビュー。

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いったいこの道はなんなのだろうか。そして、いつからなのだろうか。
国土地理院のサイトでまずは1989年(平成元年)の航空写真を見つけた。

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今よりも国道が細く、歩道だけではなくて家屋もいくつか建っている(現況でも物置のような小屋はある)

さらにその10年前、1979年の航空写真。

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あまり変わらない。
さらに10年遡ってみる。1969年。

061969

家屋が減って農地? になっているが道路の線形はそのままだ。
ところがこの6年前の写真を見ると異変が起こっていたのだった。
(つづく)