歌詞探求「塩屋」を考える。

大江千里のアルバム「OLYMPIC」に「塩屋」という曲がある。
ピアノの弾き語りから始まる静かなバラードだ。
塩屋、とは神戸市にある地区名でJR線と山陽本線の駅がある。

https://www.uta-net.com/song/109165/

さて。
これは始発で別れる元カノと元カレの光景だ。
元カノは今カレの口ぶりが移っているし、自分は今の彼女とまもなく同棲する。

かつて二人は恋人同士だったのだけど、別れてしまった。
どんな理由で争ったのかも忘れてしまうくらい昔の話だ。
だけど、困ったことや悩みがあると呼び出して相談する間柄であり、自分はこれからもそうありたいと考えている。

そして、この朝。夜通し一緒にいた二人が駅にきた。
元カノに見送られて電車にのる自分だ。

友達に戻った二人だけど、夜通し二人きりでいるのはやはり問題のような気がする。
千里ファンの間でもこの歌詞の解釈は分かれている。
相談と称して、ヤッちゃったんじゃないか、なんていう派もいたり。

私も最初はそう考えていたんだけど、今はそうではない。
おそらく求めれば彼女は拒絶はしないだろう、だからこそなにもしない。
主人公はそう考えている気がしている。


歌詞探求「立ち直り中」を考える。

乃木坂46のカップリング曲に「立ち直り中」という佳曲がある。

https://www.uta-net.com/song/182272/

なんらかの事情で別れを告げられた女性が、元カレのことを忘れられず気づいたら元カレの家まで来てしまっていた、そういう歌詞だ。

永福町や大勝軒などの固有名詞が具現性を強めていて、妙に生々しく感じる。

女性側が引きずっているところから、別れを告げたのは男性だとわかる。
しかし、歌詞の後半では「久しぶり」と声をかけるだけで昔のように察してくれるだろう、とも考えている。

空き地にアパートが立つくらいの時間がすでに経っている。おそらく半年や一年くらいは。そして、つき合っていた日々と同じくらい、別れたあとの時間が過ぎないと、傷は癒せないのだとも。

すでに元カレはそこに住んでいない。
もしかしたら、転勤などで引っ越してしまい、長距離恋愛に敗れてしまった二人だったのかもしれない。