宇宙戦艦ヤマト2199第14話

この話はリメイク話のオリジナルです。
ガミラスは拡大する中で自分たちに降伏・臣従する民族を「二等ガミラス人」としてある程度の自由を認め融和政策を進めていました。

そんな民族の中でたった二人だけになってしまったジレル人。一人は非純潔ガミラス人でありながら宣伝相にまで上り詰めたセレステラ。もう一人は同郷のミレーネル・リンケ。ジレル人は精神感応性が高く、そういう部分もあいまって避けられる傾向にあり、セレステラも蔭では「ジレルの魔女」と呼ばれていました。

中間地点・惑星バランにある太古のアケーリアス文明遺跡は超空間ネットワークを構成しており、それを使うことで何万光年もの跳躍を行うことが出来ていました。ガミラスが拡大できたのもこれのおかげ。そして、そのネットワークは「人の思念」をも飛ばすことができたのです。

事前に特殊な粒子を散布させておいたところにヤマトが通りかかると、リンケが装置を使って自らの思念体をヤマトに送りこみ、クルーに幻覚を見せます。そして、ガミラス制圧地にワープさせて捕獲しようとしていたのでした。
しかし、ちょうど森と古代が偵察のためヤマトを離れており、クルーがいなくなったヤマトに強制着艦。艦内を調べ始めますが、幻覚に悩まされます。

古代はまだ生きていた父母や兄との想い出を。森は1年前の事故、そしてもう一人、自分にそっくりな人—-ユリーシャ・イスカンダル。
岬の肉体に憑依した何者かが、森に「ヤマトをワープさせてはならない、波動コアを抜け」と指示し実行するも、リンケの幻惑に再びコアをセット。そこに幻惑に打ち勝った古代がやってきて森を助け出し、リンケの思念体を波動コアの設置室に閉じ込めた。波動防壁が展開されると思念体は移動できなくなるようで、やがて再起動した波動エンジンの強大なエネルギーによって思念体は消滅、その結果、リンケの肉体も死亡しました。

攻撃は失敗しましたが、ガミラス側はヤマトの艦体構造や、イスカンダル人が乗っていることを知ります。以降の伏線、「自動航法室」の秘密が徐々に明らかになっていきます。
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こういう話はこの40年に深化してきた日本のアニメーションの成果だと思うんですよね。思念体の扱われ方は攻殻機動隊の「ゴースト」に近く、思念体がやられると本体も死亡するところはマトリックス。マトリックス自体が攻殻に多大な影響を受けてますから、相互に影響を与えつつどんどん新しい表現を進めていると思われます。

幻覚シーンはエヴァンゲリオンの使徒の「精神攻撃」を彷彿とさせましたが、より具体的で、遊星爆弾攻撃が始まったころの地球の風景が見られます。

旧作ではヤマトのクルーに動揺を与えるためにガミラスがわざと電波中継衛星を置いて、ヤマトと地球を直接通信できるようにして、里心を植え付けて反乱を促す、というエピソードがありましたが、それを進化させた話になっています。


宇宙戦艦ヤマト2199第13話

このお話は正しくいうと旧作「宇宙戦艦ヤマトIII」からのエピソードを転用したもの。

自由に亜空間へ出入りできる「次元潜航艇」(潜水艦みたいなもの)からの攻撃をうけたヤマトは、莫大な数の微惑星が集合している星系に退避し、敵と根競べをしていた。

真田は微弱な次元震を観測したことから、敵は亜空間から攻撃をしているのではないかと推測する。そのとき、沖田が倒れ、緊急手術が行われた。

指揮権は副長の真田が引き継ぐ。

次元潜航艇はカマをかけるため、星系から撤退すると見せかける。

それを見た真田は、新見が具申したピンガーを打つ案を採用し、古代が具申した次元ソナーによる索敵を却下する。

新見案はヤマトの位置が敵に知られてしまうが、古代案では濃密な微惑星のあるこの星系に艦載機を出してソナーを投下するのは危険が大きすぎると判断した。

しかし、やはりこれは敵の罠であり、ヤマトは位置を知られ、魚雷攻撃を受ける。
古代は命令を無視してまでもやらなければならないことがある、という沖田の教えを思い出して、艦載機を発進させソナーを投下し、敵の魚雷出現位置をヤマトに通報。
さらに、敵の潜望鏡を見つけてヤマトに通報。主砲によってこれを破壊。目をつぶされた敵が通常空間に出てくる間に星系外に脱出しワープして逃げ去った。

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宇宙空間にある潜水艦、という設定が今でもスッおと納得できないんですよね。
だったら、そういう船ばかり作ったら無敵じゃないか、と。

ものすごくコストがかかる、とか、技術的に未熟で死ぬ確率が高い、とかそういう設定があればまだわかるんですけど。

この回で沖田艦長が倒れ、佐渡先生による緊急手術。

水のような液体に満たされたケースの中に患者が横たわり、小さなロボットのようなもので遠隔操作で手術をしていました。口に呼吸器のようなものはなかったので、エヴァのLCLみたいなものでしょうか? 沖田艦長の病気は「遊星爆弾症候群」。片方の肺と気管支が病巣のようです。旧作では「宇宙放射線病」でした。今作の地球の汚染は放射能ではなく、ガミラス特有の植物による毒、ということになっているので、ナウシカに出てくる瘴気のようなもの、と考えたほうがいいのかも。