フライパンの取っ手。

オクラホマといえば「田舎」っていうイメージでしょうか。
映画「愛と青春の旅立ち」で士官学校を辞めて田舎のオクラホマに一緒に帰ろうと言われた女性が露骨にいやな顔をするシーンがあったりします(彼女は士官と結婚したかったわけで、その男が好きだったわけではない、というのが露見するシーン)

うっすらした記憶なのですが、小学校の頃に見たNHK教育テレビの番組で一年をかけてオクラホマのことを調べる、というものがあり、私の頭の中ではイリノイやミシガンやアーカンソーよりもかなり初期のころから覚えていたアメリカの州になります。
場所はこちら。

46番めの州として1907年に昇格しました。元々はネイティブ・アメリカン(アメリカ・インディアン)の人たちを住まわせるために作ったインディアン準州だったところで、オクラホマとは彼らの言葉で「赤い人々」という意味です。
アメリカ各地に住んでいた彼らを追い出して、この狭いエリアに住まわせていたのですが、その土地にさえも白人が手を伸ばして入植が開始されました。
長い協議の結果、現在の居留地が確定。

で、この領域なんですが、ずっと昔から気になってたんです。
左側に伸びた長細い場所。

調べてみたら、ここは「オクラホマ・パンハンドル」(フライパンの取っ手)と呼ばれているようです。なるほど、そのまんまですね。

もともとはここはテキサス州(当時はスペイン領テキサス→テキサス共和国)でした。
スペインから独立したテキサス共和国が合衆国に加入する際、巨額債務を合衆国が肩代わりする代わりに手放した土地の一部だったのです。
しかし、当時は誰もいない荒涼とした場所で「No Man’s Land」と呼ばれました。
1850年テキサスから割譲されたこの土地は40年間放置されたのち、オクラホマ準州に編入され、17年後に州に昇格したのです。

この広大な領域はもともと1つの郡でしたが、現在は3つに分けられています。

最も西側はシマロン郡で人口はわずか3100人です。
中央部はテキサス郡。人口2万人。
最も東がビーバー郡。人口5600人。

写真を見てもわかるとおり、小さな都市の郊外に灌漑農地が円形に連なっていますが、西側は本当になんにもありません。
長さは東西300キロ、南北50キロの範囲で人口密度の低い地域となっています。