国力の衰退を憂うなら。


今の日本は、少子高齢化が進んで年金や医療保険も破綻しかけており、経済大国の座は中国に追い抜かれ、経済を引っ張ってきたソニーやパナソニック、シャープなどの企業も軒並み赤字と景気の悪い話ばかり。

それもこれも根本的な問題を言うなら、人口が減少に転じていることが大きな問題だ。

年金も医療保険もピラミッド型の人口構造が当たり前だとして設計されている。だから、多数である年少者で、少数の年配者を支えるという図式になっているのだが、そもそもその構成が完全に変化してしまっているから、なにをどういじろうと無理なものは無理なのだ。

人口が減ったら、内需が減る。当たり前だけどモノを買う人がいなくなるから。
労働人口が減るから税金を払う人も少なくなり、残り少ない人間にかかる税金を増やすしかない。これまでの公共サービス水準を求めるなら。

ここは本当に力を入れて子作り大国目指して政策を組むしか、復活への道はないんじゃないか。

不妊治療にかかるお金は保険が効かない。禁煙治療に医療保険を適用するぐらいなら、不妊にも保険を適用すべき。あと、お産もね。お産は「病気ではない」から医療保険が効かない……というのは、子供がいる人にとっては当たり前に知っているけれど、未婚の人だとわりと知られていない。

20年から30年の間は今より増税して財源を確保し、子作り世代にお金を注ぎ込んで、子供を育ててもらう。言い方は悪いが「将来の労働力・年金や医療保険の元のお金を生みだす人たち」を作りだす。人口構成がピラミッド型になってきたら、減税すればいい。

人口が増えれば内需は拡大するし、縮小していたさまざまな市場も活性化する。

フランスは以前、人口が減少していたが、さまざまな政策を遂行した結果、出生率が2%となり(日本は1.37)、人口増加に転じた。

・収入に関係なく出産祝い金10万
・3歳になるまで毎月2万支給
・片親の家庭には特別手当
・20歳以下の子供が3人以上だと育児手当。この手当は非課税。
・子供が3人以上だと「多人数家族パス」が支給され、国鉄やバスが割引。子供が多くなるほどたくさん割引される。地下鉄やバスは半額。
・2歳から通える幼稚園(8時半~16時半)の保育料は無料。
・育児休暇は3年。雇用主は休暇前と同等の職場に復帰させなければならないと法律で義務付け。

などなど。

フランスは第1次大戦に苦戦したのは人口が減っていたからだという考え方があり、さらに第2次大戦では150万人もが亡くなったため、「人口は国力」というポリシーのもとに人口増加政策を党派の別なく行ってきた。その予算規模はGNPの3%(9兆1000億)。日本はわずか0.6%。

「産めよ殖やせよ」政策が再び日本を復活させると思う。