舟を編む


映画見てきました。
原作は読んでたのですが、感想を一言でいうと「うーん」。

まず、長い。2時間半あります。確かに辞書編集15年を(途中飛ばすとはいえ)描くのだから、長くなるのはしょうがないけど、その長さを感じさせてしまう。

丁寧に、まじめに作ってあるんだけどそれが冗長すぎるというか。

原作ではほどよくコミカルなシーンがあって、真面目な部分を中和してた印象があるんだけど、そのシーンは意図的にオミットされていました(パンフレットの監督のインタビューによる)

そのために、「ひたすら丁寧で真面目だけど、平板で淡々としすぎた」映画になっている印象。

すごいなと思ったのは美術かな。辞書編集部や馬締の下宿は圧巻。

私としては原作にある「馬締が香具矢に送ったラブレター」を西岡が重要ファイルとして後輩に継承していたところが超重要だと思っていたんだけど、映画ではまったくなくなっていました。

西岡が大学教授をやりこめるシーン、緑と印刷会社社員との恋愛も完全になくなっていました。
まあ、すべて入れ込むのは無理にしても、ラブレターの件はあの本のキモだと思うので、まったく触れられていないのは残念。

馬締の人柄を再現するのはかなり難しいと思うので、演じた松田龍平の演技をどうこういうつもりはないです。オダギリジョーはいい味出してました。

そうそう、原作の最後、はるか以前に異動した西岡の名が担当編集者として載っていることを馬締に言うシーンがなかったことも残念。あれがあって泣けるのになあ。脚本書いた人は原作の読み込みが足りないと思いました。