西ノ島新島の今。
昨日から、西ノ島近海で海底火山の爆発と新島の生成のニュースが出ていますが、ここは1973年、今から40年前にも海底火山の噴火があったところです。
そもそも、海底火山の爆発で必ず島が出来ることはありません。
太平洋上の孤立した島だと波浪が激しく、削られてしまうからです。
また、爆発の威力が強いと、自分で山体を吹き飛ばしてしまうこともあります(例:明神礁)
1973年、新島生成直前の西之島。
ところがこの40年前の西ノ島の事例は、海底火山噴火による溶岩流出があって、山体が残りました。おそらくこのまま残るだろうということで命名された名前が「西ノ島新島」だったのです。
これが1978年の写真です。
上側の黄色で囲った部分が元々あった「西ノ島」です。
そして、下側のオレンジ色で囲った黒っぽい島が「西ノ島新島」。
本来この二つの島は独立していたのですが、噴火から5年後には海流によってけずられた土砂が二つの島の間にたまって接合した状態になっています。
その後、馬蹄形になっている島の湾の口もふさがり、ドーナツ状の島になったのですが、やがて中央部は干上がり、完全に一体となっていました。
次に今回の爆発の映像でちらりと映った、この新旧西ノ島の映像です。
黄色とオレンジ色の丸は先の写真と符合するようにつけています。1978年の写真に入れた白い矢印は、この2013年の写真の方角を示しています。
右側の旧西ノ島はそれほど変化はないようですが、左側の新島のほうは半分以上削られているように見えます。
40年前の活動も作られては消え、作られては消えというのを繰り返し、複数の噴火口から溶岩流出が起こってようやく定着しました。この「島の赤ちゃん」も大きく育ってほしいものです。