秒速5センチメートル

昨年見た「言の葉の庭」の新海誠が2007年に作った連作アニメ「秒速5センチメートル」を見た。
iTunesで無料レンタルプレゼント。タイトルは聞いたことがあったので見た。

3つの話からなるアニメで全部で1時間。

だけれど、とてもよかった。

よい、というのとは違うかな。

心に残るというか。
考えさせられるというか。

封印していた想いを気づかされるというか。

「どよんとする」という表現をこういうとき私は使う。
北野武の「あの夏、いちばん静かな海」を見たときもどよんとしたし。

秒速5センチメートルというのは「桜の花びらが落下する速度」だそうだ。

ネタばれするのもどうかと思うし、少しだけあらすじを書こうとしたけど難しくて途中で断念した。

とにかく。

これは、初恋の物語だ。

初恋なんてかなわないほうがいいと思う。
もし、完璧な状態で成就したら、きっとそのあと二人は、その「成功体験」の呪縛に苦しむ。

これは、その呪縛からどのようにして抜けだすのか、という物語だ。

第3話は断片的な表現になっているので、何度か見直さないとわかりづらい。

ネット上で調べると、新海監督が自らノベライズしたものが文庫として出ている。

さらに、「秒速5センチメートルone more side」」として、視点を変えて綴られたストーリーがあり、コミック化された2冊があったので、すべて購入した。

第3話のわかりづらかった部分はノベライズでかなり補填されており、相互補完的になっている。

そして、コミックでは第3話でも語られなかった部分が綴られているらしいのだが、まだそこまでいっていない。

とりあえず、「あの花」とか「言の葉の庭」にハマった人なら、確実に心を動かされると思う。短い話なので、レンタルででもいいから見てみることをお勧め。