宇宙戦艦ヤマト2199第15話(おまけ)
本編より先におまけを書きます。
この話では、岬に憑依したユリーシャが波動砲の原理を真田に尋ねるシーンがあります。
岬(中身はユリーシャ)
「波動砲の原理はブチンスキー波動方程式の特殊解に基づいているの…!?」
真田副長
「うん…!? よく調べたね。特殊解に従いコンパクト化されたカラビ・ヤウ空間の一部を解放してやるんだ」
岬(中身はユリーシャ)
「その時のエネルギー放出量は、時空超対称モジュライの散逸に比例する?」
真田副長
「いや、超対称モジュライと直に結びついているわけではない。本質は超弦コンパクト化のランドスケープなんだ」
岬(中身はユリーシャ)
「だとすると、超弦真空が発散しないかしら…? 宇宙が引き裂かれてしまう…」
真田副長
「ああ……ユークリッド2次元ブラックホールの破綻か。気付かなかったな」
まあ、これ読んでも何がなんだかわからないのですが、カラビ・ヤウ空間ってのは、こういうものだそうです。
で、この文章の中の単語で唯一、架空の単語があります。それは「ブチンスキー」。
これを見てピピピと来た人いると思います。これ、ガンダムの「ミノフスキー粒子」のオマージュじゃないでしょうか?
ミノフスキー粒子、ひいてはミノフスキー物理学というのはガンダム世界の根幹をなす科学理論です。これがあるからコンパクト化された核融合炉をモビルスーツに搭載できるし、ミノフスキー・クラフトによって大きな宇宙戦艦でも惑星上で浮遊できることになっています。そして、この「ミノフスキー」なる単語は、「トミノスキ」のアナグラムになっています。「冨野好き」。富野とはいわずもがな、ガンダムの原作者の富野由悠季のこと。
それに対応する形で「ブチンスキー」という言葉が作られたのではないでしょうか。
今作の総監督は出渕裕(いずぶちゆたか)。親しい人たちからは「ぶっちゃん」と呼ばれています。だから「ブチンスキー」。的外れ、というものでもないと思うのですが。
波動理論はヤマト世界の根幹をなしていますから、ガンダム世界のミノフスキー物理学と同じレイヤーになっていると思うのです。それに、出渕氏はガンダムのメカニック・デザインも担当したことがあるので関係が深いです。
劇場で見るだけではわかりずらいところも、字幕つきで見るとわかってくることがありますね。