月は昔、二つあった。
「1Q84」のもう一つの世界には月が二つある、という設定になっていますが、本当に地球には月が二つあったという説があります。
月はジャイアントインパクトによって生まれました。原始地球に火星くらいの大きさの惑星(テイアと呼ばれている)が斜めに衝突したことにより、原始地球の外層を削り飛ばしてそれらが集まって月を作った、という説です。
この時、どうも最初に2つの月が作られたようなのです。
というのも、現在の月を調べていると、地球側と裏側では地殻の層が100kmほども違うことがわかってきたからです。裏側のほうが分厚く、地球側のほうが薄くなっています。また、裏側には「海」がほとんどありません。
これを説明するのに最も合理的なものが「二つの月」です。
大きな月の後ろ、60度のラグランジュ点に二つ目の小さな月が形成されました。
ところが、小さな月は公転していくうちにどんどん大きな月に近づき、ついに後ろから衝突・崩壊して降り積もりました。そのため、月の裏側のほうが地殻が厚くなっているという説明です。