新海誠展@大岡信ことば館

新海誠の展示会があるというので行ってきた。

春先に奈良の万葉文化館で展示会をやっていたのは知っていたが、さすがに奈良は遠い。
今回、静岡県三島市で行われるということで、多少の逡巡はあったが出かけることにした。

まずは、なぜ、この場所なのか。

http://kotobakan.jp/

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展示会が行われる「大岡信ことば館」とは、詩人の大岡信の業績を記念して造られたもので、彼をスポンサードしているZ会本部ビルの1-2Fを占めている。
そして、新海誠は先日、Z会のCMを担当した。そういう流れだと思う。
なぜ、三島市なのかというと、大岡信もZ会もここで生まれたからだ。

三島駅の北口は再開発できれいになり、日本大学国際関係学部とZ会本部が建っている。
南口は昔ながらの商店街だ。

新横浜から三島までは新幹線で40分程度だ。しかし往復だと8200円かかる。
横浜駅から三島駅までの東海道本線だと2時間。しかし、往復だと3320円で済む。
というわけで、久しぶりの在来線の長旅を敢行。
こういうの好き。

昨年、昔住んでいた千歳船橋や下北沢の変貌ぶりを確認するお出かけを家族としたところ、奥さまより「こういうのは平日に休み取って一人で行ってくれ」と言われたので、今回もそその範疇であろうと、一人で行くことに。

だいたい、こういう展示は一人で見たい派。

朝は娘を保育園へ。いつもの時間で考えていたけれど、パパお休みという状況が伝わり、20分遅れ。おかげで横浜駅で立ち食いを食べる予定が飛んでしまい、予定していた電車に飛び乗るハメに。

戸塚、大船、藤沢と下車して立ち食いを食べようという誘惑と戦い、結局小田原で下車して箱根そばにしようと決めて実行したものの、改札の外にあるのを確認して電車に逆戻り。救いは特急待ちのため、乗ってきていた電車がまだそこにいたこと。

結局、終点の熱海まで。

一つ手前の湯河原には何度かきたことがあり、窓から見える真夏の海がリゾート気分を味あわせる。熱海はいかにも昔のリゾート、という感じだけど、遊興地特有の浮ついた感があって、これまたうきうきする感じ。

だけど、駅のホームの立ち食いで食べる時間はなく、島田行きの電車に。

熱海からは函南(かんなみ)、三島で到着だけど、熱海と函南の間には長大なトンネルがある。

さて、2時間かけてようやく三島に到着。目的地は北口にある。南口に誤って出た場合、かなりめんどくさいことになるとTwitter上で把握していたので、北口に出たけれど、今度はロクな店がない。

いや、牛タン専門店やFUJIYAレストランがあるのだけど、私がこの時欲していたのは「立ち食いそば」だった。面倒になったので、ドトールでサンドイッチとアイスティーで暫定的に満たす。

「大岡信ことば館」は駅から徒歩1分もかからない。至近だ。
ただ、Z会本部ビルなので、ちょっと敷居が高い感じ。
もちろん突入。

受付のお姉さんに誘導されて受付。観覧料は1080円。その場でパンフも購入。館内撮影禁止、スマホ携帯使用禁止。

1Fは物販コーナーとインタビュー映像を流しているスペース。
「言の葉の庭」のキャストである、入野自由、花沢香菜、そして新海監督のインタビューが流れていて、20分ほど見ていた。

2Fに上がり、展示を見る。
今回の展示は新海監督の作品のうち、「彼女と彼女の猫」「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」「クロスロード」の4作品に特化されている。

それらの作品中の印象的なセリフを立体的なオブジェにして天井から釣ったり、壁に貼りつけられたりとおもしろい使い方をしていた。

「秒速5センチメートル」の展示については絵コンテ集まで買い込んで読み込んでいる私なので、軽く流す程度。「言の葉の庭」もビデオコンテはBDで見ているので、ザッと見にした。

新作「クロスロード」のポスター制作過程を示した映像があったのだが、一枚のポスターにこれほどまでの手間をかけているのかと驚嘆。

アニメ制作についてはある程度知識のある私だと自負しているのだが、きっとこれは新海氏だけのやり方なんだと思う。

とにかく、細かくて丁寧。

「言の葉の庭」を制作するにあたって、新海氏が書いた趣意書やマーケティングについての提言書がすごかった。
最近のアニメーション監督は本編だけじゃなくて商売のことも考えてこんなレポートを書かないといけないんだなあと驚嘆。庵野氏がエヴァを制作するに当たって作った同様の書類は見たことがあるが、それよりも細かい。

会場のブースでは、「言の葉の庭」本編、「秒速5センチメートル」本編、「彼女と彼女の猫」本編、「クロースロード」の15秒、30秒、120秒バージョンがループで流れていた。

平日の昼間ということで客は少なかった。10時半~13時半の間で、

・50代後半と20代前半の母娘
・大学生カップル1組
・20台前半のソロ女子×3人

程度しかおらず、アラフィフのおっさんソロである私はかなり目立ったことであろう(笑)

お土産としては、クリアファイルがこの場でしか買えないということで購入。おっさんなので缶バッジは自粛した。ポスターは最後まで悩んだが、「新海誠展」の文字が入っていたので、記念品だと思い購入。

予定していた電車の時間の、30分前に会場を出た。

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お腹が空いた。

電車代が往復4000円かかるのはわかっていたので、とりあえず3000円をPASMOにチャージしておいたのだが、罠があった。

PASMO、あるいはSUIKAは当然、JR東日本のエリアでしか使えない。

しかし、熱海以西はJR東海のエリア。
つまり、三島ではPASMOが使えなかったのだ。

自動改札でエラーが出て、窓口へ。
そこには対応端末があったので、PASMOから引き落としてもらったが、帰りは切符を買えとなっている。

また、南口方面へ行くためには、入場料140円を払って、駅構内を通過するしかない。(たぶん、遠回りしていける方法はあるだろうけど、そんな時間はなかった)

三島が観光地かどうかは知らないが、自由通路もないのって、地元の人は不便じゃないのか。不思議だ。

とりあえず、腹が減ってたので、140円払って南口へ。
立ち食いそばがあったので、ようやくありつく。

お腹を満たして、予定通りの電車に乗った。

熱海で始発に乗り換えると、疲れからか寝てしまった。気づいたら藤沢。

藤沢は鵠沼へ行くときにいつも通過する駅なので、なんとなく「帰ってきた感」がある。
2時間も座っているとお尻が痛くなるんだなと思った。

横浜についてJOINUSの中を歩いていると、空気の熱さがとにかくヤバい。

予定していた時間に保育園に到着。お迎え。

スーパーでビールその他を買おうと思ったら、財布の中に1000円しかない。
PASMOにチャージした分、お金がなかったのだ。PASMOでは払えないと聞いて、なくなく一部商品を戻す。情けない……。

帰宅して、エアコンがんがんつけながら、家事。