隣国関係。
今日は太平洋戦争が始まった日だそうです。といっても、日米戦ではなく、南米のペルーとボリビアの2か国とチリが戦った戦いのほう。今から130年も前のこと。
当時のボリビア領土は海側にもあり、またペルーも現在の南側に領土が広がっていました。このあたりはアタカマ砂漠と呼ばれる不毛な地域だったのですが、ここで硝石の鉱脈が発見されます。硝石はダイナマイトの原料で有力な産業になりうるものでした。
ボリビアとペルーは政治的な混乱が続いていた反面、チリは国内の統一が計られ産業が勃興しはじめていました。そこで、ペルーやボリビア側の硝石鉱床を採掘する権利を得て、開発をはじめたのですが、しばらくすると国富が吸い取られていく懸念から、ボリビアとペルーが手を組んでチリを圧迫、企業を接収するという事態にまでなり、結局チリが派兵、戦争となりました。
戦いは海戦が主になり、ペルーとチリの間で海戦がおこなわれチリが制海権を得て、ペルーとボリビアへの物資補給を断つ手段に出て1年で休戦。講和条約の結果、ペルーは南部の領土を、ボリビアは海側の領土すべてを失うこととなりました。
ボリビアは内陸国となりましたが、「チリ憎し」「海を取り戻せ」という怨念は今も続き、小学校から教育されているとのこと。また、ボリビアは海がなくなったにもかかわらず海軍を保持し、チチカカ湖に軍艦を浮かべているそうです。
驚くべきは、隣国であるにも関わらず、ボリビアとチリの間にはこの戦いが終わってからも正式な国交がないということ。
日本が先の大戦で交戦した国のなかで最も長い間国交がなかったのは大陸中国ですが、それも30年くらいのもの。こちらは130年です。むろん人の行き来はあり、貿易も行われていますけどね。